2012年10月22日月曜日

ハートネットTV:過労死した若者

本日のNHK・ETVの「ハートネットTV」はかなり衝撃的なものでした。
学生時代から優秀だったSEの若者が過労でうつによる医療薬の過剰投与で死亡したというもの。
彼の労働環境は月に100時間を有に越える時間外の労働時間。
かつ、作業環境は劣悪。休憩室もなし。

ある意味、特殊とも言えるかもしれない労働基準法違反と労働安全衛生法の違反。
いくら現代社会の最先端で働く若者たちと云う、仮に相互了解的な幻想があったとしても、そもそも人のいのちを軽々に扱うような企業のあり方は絶対にあってはいけません。
見ていて、法令がどうこういうよりも、人倫に反する、と思いました。

しかし、非正規の働き方がやんごとなくとめどなく広がっていき、その穴を埋めるように正社員の人たちの働き方が厳しいものになっている話はよく聞くことです。いびつなことだと思います。

私たちの社会は、もはや、現在過労で命の不安を感じないとしても、人として自然な家族を持ち、仕事をしながら平安に過ごすことが手に入らない未来の不安を感じながら生きるのか。
それともお給料は良くても、手に入れたプライドや企業の要請、他者をライバル視しながら命を削るように仕事に自分の人生時間を預けるのか。
そんな極端な二者択一の社会に生きているのでしょうか?信じたくはないですが。

いずれにせよ、最も抜本的なところから考えるべき地点に立っているのかもしれません。

亡くなられた若い人のみならず、二人の同僚の方たちも病気で休職ののち、退職。そのうちお一人は今では生活保護を受給されているという話も非常に残酷な話で、有意な若者たちが戦傷兵のように打ち捨てられる。
これはやはり改めて大きな課題の前に自分たちは立っているのではないかと思いました。