2010年7月20日火曜日

社会的事業就業研修レポート

 先日の記事で先の6週間研修の修了レポートをリンクしましたが、外からのパソコンで見ると専用のソフトがないと開けないようです。よって、改めてコピペしてこちらのブログに貼ります。
 ・・・しかし、最後の一節の辺り、私のひねくれ者の傾向が現れてしまっていますね。前向きなところで終わらない傾向というか。あと、その日の2時間の中で文書を綴ったのでところどころ分かりにくいところ、破綻している部分があるかもしれません。その点はどうぞご容赦を。

 <研修終了レポート>

 この度の社会的事業コースの訓練がもう終了するということで、自分自身の食い付きが弱かったのか、もう少し自分の中で「これ」というものが掴めなかったかものかな、と残念な思いもあります。現代社会においてNPOで働くこと、ソーシャルビジネスで働くことというのはやはり自分にとってもまだ安定性を基盤とすることが難しい、大変新しい働き方なのだろうなと思います。会計について学んだとき、年度末で収益が正味財産となり、基本的に収益をベースとした発想がNPO法的には無いのだと気付き、とはいえやはり一般の企業のようにニーズの把握とマーケティングが必要であるとなれば、適正なNPOの事業規模はどの程度であるべきかという悩みというか、疑問も起きます。この場合のニーズとは営利企業も行政も拾うことが出来ない生活のデティールにおける生活者の悩みであり、あるいはまた生活弱者の人が持つ困りごとであろうかと思います。営利もコストがペイしないから商売とせず、行政は税金を投ずることができない世界。そこをNPOやソーシャルビジネスが拾いあげ、「利潤」のルールに基づくこの社会に対して、元来の社会の在り方(お互いさまの世界)を提示するオルタナティヴな生活や社会を作る先駆けになるのだろうと思います。

 その意味で私自身この社会の新しい、同時に元来存在したコミュニティの復権の両面に基づく意識を活性化させていただいたわけで、大変貴重な学びの時間を得たと、とても嬉しく感じています。

 しかし、さりながら私自身の受講動機がもともとNPOや社会的事業を行っている法人や団体に就労することにあったわけで、その点では上記の会計理念でもあるとおり民間企業では利潤といわれる部分は来年の社会的事業の継続へ廻すわけで、そこには専従の職員の最低限な確保というところに気付きます。民間企業のように新規事業を目論むために従業員を先に雇って先行投資をする、というわけではありませんから。

 するとそこにはNPOにおいてはどうしても「労働マーケット」は小さいと見るのが普通であるはずです。そこは私自身この講座を通して受講して改めてハッと思ったことでした。NPOで就労するというのは甘いことではないな、と。

 しかしながら、就労実習後多くのNPO団体の方々の事例研修を聞くなかで思うことは利潤追求ルールの社会の中では社会的課題が想像通り沢山転がっているし、その課題は今後の人口構造や世界の経済構造のダイナミックな変動の中でますます増加するのは目に見えているということでした。そして、先に書いたとおり営利企業や法律に縛られる行政では拾えない課題に取り組み、また彼らの当初思い描いた構想を超える新しい課題を前にその課題を「なるほど」と知的に受け止め、解決や新しい課題として新しい事業を始めるような、そんな仕事を楽しめる姿勢と企業のように自分では主体的に係れないことにもかかわっていけそうな可能性でした。

 大きな意味で市場という面では今後NPOが労働市場の大きな一角を占めないといけないと思います。つまりそれはたくさんのNPOが存在している社会であり、そのNPOが競合するよりも各層、各般に渡ってそれらの課題に向き合う多様なNPOが存在する社会でしょう。そのような社会が来るのか?

来ると思いますし、傍観者のように自分がそのようなことを言っていてはいけないとも思います。

 現在の市場社会では異業種交流は別として、やはり同業であれば分断された社会であり、その活動は秘密化され、その会社のCM面のみ、つまり光のみが情報として流布され、不祥事の際に不祥事隠しがわかって謝罪する、というような消費者を幻滅させることが続いています。政治も同じでしょう。職業政治家も。それらは競争をルールの基盤に置いているから、秘密が横行し、社会の中に疑心暗鬼がどこか基底に流れているのだろうと思います。そのような疑心暗鬼が時々社会病理現象としてあらわれているのだろうと私は思います。

 その点においても、NPOの理事長さんたちのお話は非常にオープンで、困っていることもすべてというわけではないでしょうが、明らかにされておられましたし、それゆえにその内部的課題をどうするかという悩みも率直にされていたような気がします。

 NPOのような組織の可能性はそこにあるのではないかとこの6週間を通して、一番思うことはそれでした。ある課題が活動を通して把握される。しかしその課題は自分たちの団体では解決できない。ではそこは他の団体に相談してみようというオープンな感覚。

 NPOが常にいちばん大事にするミッションが自分たちが出来る範囲での「社会的課題の解決」であれば、そのような他の団体や専門機関、時には営利企業にも投げかけられるのではないかと思います。そこに今の経済社会のルールが作り出した経済外問題が広範に広がる社会においての、一番の未来性だし、業種において一番誇れることの一つなのかもしれないな、と思いました。

 2週間の振り返りレポートで私は「NPOにおけるプロとは何か?例えば福祉の専従職員や臨床カウンセラーとの違いは何か?それは自分にはまだ見当がつきません。しかし「思い」だけではいけない。それが何なのか?」と書きました。その答えはまだ明確になりません。

 しかし、上記縷々書き述べたことが一つのヒント程度にはなるかもしれないかと思っています。今更大学に戻って専門的にNPOやソーシャルビジネスについて専門的に勉強するのは不可能ですが、この講座が自分の今後の指標になるのは間違いないような気がします。それが自分の個人的な人生にとって幸せなことかどうかはわからないことなのですが・

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