2013年8月7日水曜日

姫田忠義さんという方を改めて追悼します。

 
 
 
 ブログは本当にお久しぶりです。8月に入ってしまったから、もう2ヶ月ぶりくらいですかね?
 8月も入った頭は「あれ?涼しいぞ」という感じだったのですが、ここ数日は8月らしく暑くて。昨日は初めて寝苦しくてなかなか寝付けませんでした。ちょっと昼間に冷たいものを取りすぎて腹を冷やしすぎた感があったため、扇風機を廻して寝てたら寒い感じが有り。かと言って、止めたらもわ~と暑くて寝苦しい。結局、タイマーセッテングで扇風機を回していました。今日も湿度が高い。
 
 まとめたいなと思う内容も無きにしもあらず、なのですが、本当に夜の8時過ぎないと頭がまともに回らない。ぼんやりして。暇があると、いわゆる、ルーツ・レゲエといわれる「DUB」というサウンドばかり聞いています。30度を超えると、このゆったりした土着的なドラムでループするようなトランス系の音楽が一番しっくりくる。時折、ドラムやベースが常識はずれに前に出たり、ボーカルに深いエコーがかかったり、さながら、密林での秘境音楽ですw。
 水木しげる大先生もこのタイプのレゲエが好きなんだって。なんか、、水木先生が大好きなニューギニアの密林での未開人の音楽のようで好きらしい。一方的に、嬉しい。
 
 さて、真面目な話。
 
 しばらく前に「あっ!」と思ったのですが、民俗文化映像研究所の姫田忠義さんが亡くなったという話を新聞で見つけて。そのまま放置は出来ない。日本の文化収集にとって貴重な仕事をされた方です。正確には「のはず」です。専門家ではないので、あまり断定的なことも言いづらいのかな、というところで、一応。
 
 
 
 もう20年近く前になるんじゃないでしょうか。NHKの教育テレビ、今のETVで見た「姫田忠義・日本文化の基層を求めて」ともう一編、「姫田忠義・ピレネー文化を見つめる」には強烈な衝撃を自分は感じたのでした。
 それらは、日本の厳しい風土でも特に厳しい山村などで生活を営む人々の風景を映像で捉えたもので、間違いなく現代が捨てた世界でした。
 
 夫婦だけで行う山焼きの焼き畑農業。真冬のマタギの冬山行の映像。そしてアイヌのイヨマンテ。その映像では若き萱野茂さんがアイヌの知性として、イヨマンテという熊送りの神事を、現代の僕らに了解できる形で説明をしてくれていました。それにしても、それぞれが圧巻な映像ばかりでした。自然とまさに格闘するような人々。自然と動物への畏怖と畏敬の感覚。
 
 そこに自然の大きさ、厳しさの中での小さな人間が必死に生きる生活のための営みが荘厳にみえました。自然の大きさの中に小さな人間の風景といえば、山水画を思い浮かべるけれど、そんな墨人の理想とは違うものだけれども、ただ息を呑むようでもあり、また美しいような感じもあり。。。
 それはピレネー山脈で羊牧を行う人たちの姿も共通性がどこか見えました。勿論、姫田さんは日本の基層文化との共通性を見たからこそ、その映像を撮ったのだと思ったけれど。
 いま、内容の詳細は忘れたけれど、VHSのビデオには取っていて、自分的には宝物なのです。
 
 姫田さんは名著『忘れられた日本人』を著した民俗学者・宮本常一氏のお弟子さんです。
 姫田さんの弟子としてのありようは、民俗学を聞き取り採取ではなく、映像として記録に残す方向性を自分の生き方として採用されたのでしょう。その姫田さんのナレーションやインタビューの朴訥とした語りのリアリティ、説得力にも当時の私は圧倒されたものです。何故かしらん?と思うほどに。
 
 ところで宮本常一氏の『忘れられた日本人』もとても美しい、こちらも日本人の基層文化をなす人たちの記録で、僕にとって大事な一冊。岩波文庫ですぐ手に入ります。お勧めです。
 
 Twitterで検索したら、民俗文化映像研究所もちゃんとツイッターをやっていて嬉しかったです。そしてどうやら、今月下旬に姫田さんの回顧映像展をやるらしいのです。
 
 
 いや~、見に行きたいものです。こういう文化素材に接せられる意味では東京は凄いですね。少し東京に文化的なものが偏しすぎている気もしますけれどもね。。。
 
そしてこちらが↓
民族文化映像研究所のサイトです。
 
 こう、自分の関心領域が右左上下しているような「変人」ぶりを感じる人もいるかもしれません。まぁ、自分でもそうだと思っていますが、でも一度この民族文化映像に触れたら結構普遍的な感銘を多くの人が受けると思うんですけどね。日頃気づかれていなかった失われたものということを思えば。いつかNHKのBSアーカイヴスでもいいので、姫田さんの「日本の基層文化を求めて」を再放映して欲しいものです。(民俗文化映像研究所でもDVDが手に入るようです)。

 
 


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