ひと月ぶりの更新です。
さて、昨日はNPO法人Continueさんにて、共著者の方を迎え「ポストモラトリアム時代の若者たち」の読書会の第1回目を行いました。
予定時間を迎えるまでは、会が上手く進行するのか緊張しましたが、この本の著者のひとりである村澤和多里先生と、教え子の大学院生が来られてテキストを輪読していく中で自由に参加メンバーそれぞれが、自分が日頃思っていることや考えていることを語る中において、とても良い感じで知的な刺激もあり、教わることもありで。
やはり実際に著者の方がおられるということで、お尋ねする内容もそれぞれのメンバーが忌憚なくすることが出来、それに応えてくれる中で、序章4ページを元に話し合いをするだけで2時間半を超える活発な意見交換が出来た次第で、初っ端として、まずは非常に良い滑り出しだったのではないかと思います。
参加メンバーは、著者で臨床心理士でもあり、大学の准教授でもある村澤先生、大学院生の方、大学卒後院生を目指している方、社会起業で農業をされている方、サラリーマンをやりつつサラリーマンの限界を意識している方、NPO運営者の方、そして僕のような半ゴモリ、と。多彩多様で、それぞれの立ち位置を意識しながら、80年代的なモラトリアムを知る人、知らない人の両者の思いを想像し、すり合わせながら(難しいことですけどね)テキストを元に共通認識を探す旅の時間という感じといえるかな(う~ん。表現が変。。。難しく考え過ぎかなw)。
しかしまずは大学生というか、高等教育機関の過ごし方に関しては、僕のような80年代中葉に学生時代を送った時代とは明らかに違うということは確かに認識出来ました。僕が当たり前に抱いていていた「大学時代は4年間の自由なモラトリアムの時間」というものはすでに無く、もはや自分の子どもと言ってもいいような20代前半の学生さんにとっては「大学の4年間はお金で資格やキャリア教育、ソーシャルスキルを磨く時間」という具体的な発言で、その認識の落差、ギャップに目からウロコというか、驚きというか。そういうものがありましたね。
まさに「どうにかなるさ」という時代に生きた自分と、「どうにもならないから、どうにかしなければならない」という言葉で率直に語ってくれたその時代意識の違いに知的な理解を超えた一瞬があって、ああ、そうなのか。世の中そういうところにすでに来ているのだなぁと自分の楽観的な構えを砕いてくれて。まさにこういう話し合いができる場をセッテングすることが出来たこと自体が得難いことだなぁと思いました。その現実を教えてくれた学生さんには本当に感謝です。
その時、サラリーマンをされている方が的確にも、「もはや違う国なんですよ」という言葉で表現してくれたことに深い納得の笑いが場を包みました。
そのサラリーマンの方も「サラリーマン社会は詰んでいる」というシビアな認識を元に参加されてくれているため、資格やスキルを求め、TPOに応じたコミュニケーションを使い分けることができる「リア充」を求めることよりも、まずはどういう構造に社会があるのか、結果としてサラリーマンを目ざすその方向性が自分たちにとってどういう意味があるのか根本から考えたほうが良いのではないか。大人も迷っている時代。就活ノイローゼになってしまう前に、もっと根本について出来れば親と一緒に考えたほうがよいのでは、あるいは学生さんとサラリーマンが同じテーブルにつく機会をもっと増やしたほうが良いのでは。確かに経験の違いがあるから簡単ではないけれど、まずはその方向からものを考える方が良いのでは?という提案があって、これは実に貴重な提案だなとシンプルに思いましたね。
繰り返しになりますが、やはり著者の方がおられて、知らないことは教えてくれて、あるいは一緒の次元で考えてくれるこの時間は貴重なものでした。
そういう意味でモラトリアム期間が喪失したと言えそうないまの時代(確かにそういう時代なんだ、と認識が新たになった)に、こういう集いの時間があることが、何というか。モラトリアムの時間再び!という感じがして、とても良かったのです。
参加メンバーのより客観的なレポートはこちらにあります。ぜひご覧下さい。
Hi-log 2 Continue読書会1-1 『ポストモラトリアム時代の若者たち』
Hi-log 2 Continue読書会1-1 覚書メモ
この前の日もNPOサポートセンターというところで「共学のつどい」という読書会をやっていまして、そちらはこの日に使われたテキスト、「ポストモラトリアム時代の若者たち」と論点が共通のところも多い小熊英二さんの「社会を変えるには」をテキストで読み合わせして自由な話し合いをするのですが、そちらも皆んな一生懸命考え、そして忌憚なく話し合い、聴く。同様なノリがあって、ハンゴモリの自分にある、「世間はどうなっているのか?」「社会はどうなっているのか」「みんな何を考えているのかしら?」という要求を満たしてくれる、とても貴重な時間です。
こういうものを無料で語り合える場、テーブルについていられる幸福をしみじみ感じています。
まあ、基本、生活のだらしなさがこういう機会に変わるわけは無論ないのでしょうけれども。
そこに関しては。。。う~む。苦笑せざるを得ず、ですなw。。。いまのところ。ただ振り返った時に「あの時の意味」を実感できるかもしれない、という所に希望を託しつつ。
両者ともに約7ヶ月かけて一つのテキストと向き合うので、ゴールの頃に少しでも自分の中に何らかの変容があればラッキーですけどね。
Continueの読書会2回目(1-2)は5月14日(火)、PM7時より行います。次回は第1章。今後は参加メンバー各自が1章ずつ受け持って、発表を行い、それを受けて各自自由討議する形式です。場所はNPO法人 Continue内にて。市内、及び近郊にお住まいの方で関心のある方は、こちらへお問い合わせを。次回も著者の村澤先生が参加予定です。
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